年賀状を出した帰り道
遠回りしたくなったから
ちょっとお散歩

日向を選んで歩きましょう
傾き始めたおひさまの温もりと
冷たい風を同時に感じた

この前ここを歩いたときは
まだ楓と銀杏がきれいだったな
今は最後の一葉も失くなった

花は以前より少ないかしら
いつも通るのあのお家
庭に小さなビオラとシクラメンがある

公園の入口にはまあるい葉牡丹
植え込みに咲いているのは寒椿
これほんとはさざんかの親戚なのよね

さびしい季節なんて
誰が言ったの
冬には冬の花がある

裸ん坊の桜の木
枝の先にはもう固い蕾がついて
そこだけ色が違って見えた

終わりじゃないのね
一周りしただけ
命の輪廻が巡ってゆく

この木はきっと私より
ずっと長く生きて毎年
きれいな花を咲かせるのでしょう

そんな事を教えてくれる
年の瀬
冬の散歩道