宵桜
古い日記に挿まれた
薄紅色の押し花は
あなたと眺めた宵桜
花見の人が行き交う道を
ふたり一緒に歩いたね
秋には嫁いでいくんだね
明るいあなたがしんみり言った
いつもと違うさみしい声音
気づかぬふりで うん、て答えた
あれは遥か遠い日
時の彼方のあなたと私
互いの言葉をかみしめて
並んで見上げた満開の
桜がにじんだ春の宵
薄紅色の押し花は
あなたと眺めた宵桜
花見の人が行き交う道を
ふたり一緒に歩いたね
秋には嫁いでいくんだね
明るいあなたがしんみり言った
いつもと違うさみしい声音
気づかぬふりで うん、て答えた
あれは遥か遠い日
時の彼方のあなたと私
互いの言葉をかみしめて
並んで見上げた満開の
桜がにじんだ春の宵