９時５分前

右折しようと信号のない道で
一時停止した

おっと来た来た

今日もマフラーをなびかせ
ノンストップで駆け抜ける
高校生の自転車集団

通り過ぎるのを待ってる私を
知ってか知らずか

通る通る
何十人来るんだ

もうすぐ始業時間なんだろう
同じ制服にさまざまなマスクをつけた
ライダーたちが思い切りよく道を渡ってゆく

冬の寒空の下コートも着ないで
元気だな

冷たい空気と身を切る風を受け
朝の光を浴びて疾走する

その姿は子鹿のように弾んでいて
戦士のように勇ましい

若さと生命力が
キラキラと輝いている

思わず車の中から声をかけたくなった

行けー！
でもこけるなよ

最後の１人が通り過ぎるのを待って
ようやく車を発進させる

がんばれ　キラキラ戦士たち

君たちは授業
私は仕事だ