ポエム
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思い出散歩
正月三日目
食べ過ぎでみんなお腹が膨らんできた

散歩に行こう!
誰かが言い出して俺も私もと
親子4人でぞろぞろ出発した

住宅街を抜けて県道を渡る
道を境にして反対側の普段行かない方に
向かってどんどん歩いた

坂道をゆるゆると下り昔通った
中学校の前を通り過ぎる

ここママの行ってた中学校だよ

続いて商店街を歩いて行くと高校の部活のあと
みんなで焼きそばを食べた店がまだあった

わー懐かしい
ここはほんとに古い店なんだよ

ママの思い出の場所巡りみたいだね
そう言われて以前の街並みを思った

この商店街もずいぶん変わった
昔どおり残っている店はわずかだな

この道を重いかばんを抱えて小走りに
進んだんだ

商店街を抜けてさらに歩いた先には
高校がある
この頃は用事もなくて滅多にこの辺は
来なくなった

いつの間にかこんなに時が流れたんだ
毎朝通った道を今 家族と一緒に歩いている

あぁ この町でずっと暮らしてるんだ
子どもの頃引っ越してきてからずっと

結婚して少しの間離れたけど
また住んでいる

相変わらず不便な所だな
車がないと買い物もできないし
もう少し便利にならないかと
いつも思ってる

だけどあちこちにある雑木林
坂を下りれば小さな川
晴れた日は山が近く見えて
自然と一緒になれる

騒々しさとは無縁の町
ふるさとと呼べるただ一つの場所

過ぎた時間を思いながら町を一巡りした
3人は時々振り返りながら先を歩く
私は一番足が遅くて背中を見ながらついて行く

下の子が戻って来て介護してあげるねなんて
ふざけた

明日になればこの散歩も
正月の小さな出来事
やさしい思い出になってゆく


21/01/04 18:21更新 / 香弥



談話室



■作者メッセージ
昨日の事です。もう思い出に変わりました。

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