車に乗り込んで
荷物を助手席に置く
誰もいないから置ける
前までは何も考えずに後ろに置いてたのに

カーナビの履歴
前一緒に行った場所へのルートが残る
こんなことで
記憶が一気に蘇る
便利なボタンの機能
君が教えてくれたんだっけ

よく行く場所の通り道
君の家がある
君の車が停まってる
見ないようにしちゃう時点で
意識してしまってるんだよ
いつ引っ越すのかも知り得ない

あの飲み屋の看板
あの店の軒先
通るたびに思い出す
あの時食べたもの
あの時見たもの

撮った写真消したのは
連絡先消したのは
君が嫌いだからじゃなくて
忘れたいからじゃなくて
思い出すたびに辛くなるから
もう会えないこと振り返りたくないから
そう、思い出したくないけど
忘れはしない
自分の人生の一部を
鮮やかに彩った君を

■作者メッセージ
初めてお付き合いした方とどうしようもない理由で別れた後に書いたものです。
もう3年も前になります。
供養したくて投稿します。見てやってください。