ポエム
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拝啓 あの夏の日
疾風の音に
心奪われ

思わず 窓の外に
目を向けた

風に大きく揺れ
葉の裏側まで見せる
深緑の若葉たち

何一つ
混じり気のない
おろしたての絵の具のような
白い雲

一点の曇りもなく
どこまでも どこまでも
果てしなく広がる
蒼い空

そして

360°
どこからでも聞こえてくる
蝉の大合唱

それはまるで

あの夏の日

少年が見た風景と
全く同じものだった


もう…何十年も経ってしまった

色んなことを
経験した 知ってしまった

辛い思いもした

二度と戻らぬ日々に
涙し 後悔した…

しかし

この風景は

あの日と 何も変わらず 

多くを語らず 
堂々と

私の目の前に 広がっていた

「さあ、戻っておいで」

大自然の囁きに身を委ね

神様が

あの日の少年に戻ることを

許してくれた瞬間だった…




22/08/02 20:10更新 / 少年時代



談話室



■作者メッセージ
色んな思いが巡る夏ですが、自然は何も変わりません。

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