ポエム
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冬の波打ち際
年明けに
海の見えるレストランで
食事をした

食事を済ませ
せっかくだからと
砂浜へと繰り出した

ここは
夏場には海水浴客で
賑わう名所の一つ

そこを散策する人々は
まばらで

人気のない静寂の中
海の空には

静かに繰り返す
波の音と
トンビの鳴き声が
響き渡る…

寒いと思われた
冬の海は
穏やかな日差しに照らされ

安らぎさえも感じられた

裸足になり
海沿いを歩いてみると

波打ち際にできる足跡が
まるで
何もなかったかのように
消えていく…

人生の後悔も傷跡も

こんなふうに消えていけばと
海を見ながら
願ってしまう 

だけど
消えないからこそ
ごまかせないからこそ

真摯に向き合い
これからの人生に
生かしたいと
心に誓う

本当の優しさは

経験してきた
辛さや厳しさに
比例すると思うから…

始まったばかりの新年

波打ち際に消えゆく
足跡を後にして

僕は
新たな一歩を踏み出した

22/01/02 17:10更新 / 少年時代



談話室



■作者メッセージ
お久しぶりです。

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