ポエム
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薔薇の雲
川面に映る建物や樹木が日の光りに輪郭を揺らす

その川沿いに緑の広場があり
老舗旅館と神社前の石畳の道に通じている

その道をまっすぐに歩いて行けば
石壁が琥珀にうつくしい建築として街の人に愛された文化ホールがある

そこで開催されたコンサートに行ったあの季節は5月

その歌手の歌声は薔薇の吐息の
様に素晴らしかった

彼女の心臓から太陽が溢れ出すように

最後の吐息が薔薇になるような

その歌声に包まれる中

誰もが誰かを思って

コンサート終わりの夕焼けは

彼女の歌声に魅了された人達の
ため息がかげろうとなって
立ち上ったように美しかった

夕焼け雲が薔薇色に染まって

浮かび上がって

近くの神社境内横の道沿いにも

白 黄色 赤 ピンク

色々な色の薔薇が咲き誇っていた

こんな日は

きっとこんな日は

あの歌声の余韻で

私の心臓から太陽を溢れさせ

薔薇の様な歌を歌えたら

燃えるような

薔薇の雲を浮かばせて

きっと喜ばれてこその花束

わたしのひとりよがりの
トゲが刺さって泣く顔は
みたくはないな

夜が更ければ

闇に溶け消えてしまうけれど

全て見えなくなってしまうけれど

川の流れとともに

夜風とともに

眠りに誘う幸せな薫りだけ残す

そんな薔薇の様な歌を

今夜は夢みて眠る














22/10/15 15:53更新 / 檸檬



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