ポエム
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全身の川
まるで長い雨の入り口に立つような部屋の扉

傘ひとつ広げても仕方がないから

雲の透き間、淡い光に手を伸した

深呼吸をして浮かんでゆく言の葉より

深くへしずみ、深くへもぐった

葉は真紅に染まり 欠けた形

いずれ解けてゆくだろうか

解けなくてもすり減らし

手放してゆくだけ

浮かべた言の葉より

深くへしずみ、深くへもぐる

ひとりだったはずの

泉の底には欠けた星が

いつも闇の中で光を放つ

握り締めてその光のままに溢れるままに

アブクを吐いてゆく

あの瞳の底には雲の草原があり

シロツメクサの星を結んで遊んだ

夕焼けの帰り道 揺れる背中におぶわれ

その左側から全身に流れるせせらぎに

何かが流れて

ようやく深く眠れた

懐かしいひとの首筋の匂いは陽に焼けた

落ち葉の薫がした


25/10/19 11:59更新 / 檸檬

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