全身の川
まるで長い雨の入り口に立つような部屋の扉
傘ひとつ広げても仕方がないから
雲の透き間、淡い光に手を伸した
深呼吸をして浮かんでゆく言の葉より
深くへしずみ、深くへもぐった
葉は真紅に染まり 欠けた形
いずれ解けてゆくだろうか
解けなくてもすり減らし
手放してゆくだけ
浮かべた言の葉より
深くへしずみ、深くへもぐる
ひとりだったはずの
泉の底には欠けた星が
いつも闇の中で光を放つ
握り締めてその光のままに溢れるままに
アブクを吐いてゆく
あの瞳の底には雲の草原があり
シロツメクサの星を結んで遊んだ
夕焼けの帰り道 揺れる背中におぶわれ
その左側から全身に流れるせせらぎに
何かが流れて
ようやく深く眠れた
懐かしいひとの首筋の匂いは陽に焼けた
落ち葉の薫がした
傘ひとつ広げても仕方がないから
雲の透き間、淡い光に手を伸した
深呼吸をして浮かんでゆく言の葉より
深くへしずみ、深くへもぐった
葉は真紅に染まり 欠けた形
いずれ解けてゆくだろうか
解けなくてもすり減らし
手放してゆくだけ
浮かべた言の葉より
深くへしずみ、深くへもぐる
ひとりだったはずの
泉の底には欠けた星が
いつも闇の中で光を放つ
握り締めてその光のままに溢れるままに
アブクを吐いてゆく
あの瞳の底には雲の草原があり
シロツメクサの星を結んで遊んだ
夕焼けの帰り道 揺れる背中におぶわれ
その左側から全身に流れるせせらぎに
何かが流れて
ようやく深く眠れた
懐かしいひとの首筋の匂いは陽に焼けた
落ち葉の薫がした
25/10/19 11:59更新 / 檸檬