まじりっけのない言葉
まじりっけのない言葉なんかを
探してみても
もうどこにもないのです
私のどこにもなくなった
まじりっけのない言葉を
わたしはなくしてしまった
ということがまじりっけのない
言葉のようです
ただあなたを思う
ただそれだけを
表せないでいます
「行かないで」
その言葉に
色々な思いがまざって
大きくなって
喉の奥につまってしまった
あなたの残した影に
足を取られて歩き出せない
私なのです
春が近いというのに…
公園向かいの工事の音に
私の声もかき消され
届かない
もの苦しいほどの鼓動の中に
埋もれていく
春が近いというのに
せめて
冬枯れの葉っぱと厚みを増した
土の感触を踏みしめ
うつむいて耳をすましたり
校庭を囲む
四方の校舎の壁に
反響する
子供達の歓喜と足音に
少し遠目から耳をそばたて
眺めたりして
この身に春を刷り寄せる
いがいがの楓(ふう)の実
カラコロ転がって
子供達が蹴って
春風に笑う
探してみても
もうどこにもないのです
私のどこにもなくなった
まじりっけのない言葉を
わたしはなくしてしまった
ということがまじりっけのない
言葉のようです
ただあなたを思う
ただそれだけを
表せないでいます
「行かないで」
その言葉に
色々な思いがまざって
大きくなって
喉の奥につまってしまった
あなたの残した影に
足を取られて歩き出せない
私なのです
春が近いというのに…
公園向かいの工事の音に
私の声もかき消され
届かない
もの苦しいほどの鼓動の中に
埋もれていく
春が近いというのに
せめて
冬枯れの葉っぱと厚みを増した
土の感触を踏みしめ
うつむいて耳をすましたり
校庭を囲む
四方の校舎の壁に
反響する
子供達の歓喜と足音に
少し遠目から耳をそばたて
眺めたりして
この身に春を刷り寄せる
いがいがの楓(ふう)の実
カラコロ転がって
子供達が蹴って
春風に笑う