全てが夕日に染まる頃

夕日の様なあなたは

海も　空も　野原も

優しい色に染めて

山際からの蜃気楼

キラキラと海の命をなでていく

あともう少し

あなたをみつめているよ

あともう少し


夕日が遠くの海へ帰る時

ずっと動けず見ているよ

なんだか帰る時は早く感じるね

あともう少し　ゆっくりね

山肌にふれて

大きくふくらんで

照れたように微笑んで

あなたはとてもきれいだった

やさしく　あたたかく

さみしさをみつめている

真っすぐに自分の虚空を照らす

本当はまだみつめていたい

行かないでほしい

でもほほ笑みうかべて

さようなら

あのほほ笑みは

忘れないよ

私の心も大きくふくらんで

きれいな茜色に染まったんだ

満たされて

大きなだるま夕日に

なったんだよ

波の音も

潮の香りも

風　空

水平線

とんびも

　山

野の花も


　皆(みーんな）


あなたを


愛しているよ

■作者メッセージ
じゃあね、また明日

だるま夕日に会えるかな

水平線に沈む夕日が蜃気楼の様に揺らぎ
二つの円が重なるように溶けるシルエットが
「だるま」そっくりになることから
「だるま夕日」と呼ばれています。