ポエム
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夏の夢の中で
ノートのページが風をうけて

やわかな羽を持って蝶々のように舞っていた

誰かに書いた手紙が浜辺の風をうけ

お船の帆のように旗めいていた

夢の中に大切にしまった

引き出しの四角の枠越しに

夏の光が溢れてくる

その光を受けて咲いた花

蝶が花にとまり蜜を吸う

花びらはそっとしなって優しく受けとめている

白い紙がわたしの心の花になるのなら

ペンを取りその蜜を吸うだろう

白い花の心にインクの傷がついてしまっても

白い花は藍色に染まり優しく受けとめてくれる

いずれ色褪せて散っても

それはいつか

羽をもって飛ぶ蝶々に

蜜蜂、蜻蛉、蝉に

大樹の下の土から這う蟻に、

ひなびた紫陽花に

高く伸びる向日葵に

そよぐ青い稲穂に

空に広がる枝葉に

木陰に集う鳥たちに

光の中を舞う風に

そしてどうかあなたの頬を撫でる夜風に

24/07/17 08:08更新 / 檸檬



談話室



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