ポエム
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白猫の矢
早朝 東の空 紺色の雲間 明けに照らされた光は

扉が開かれ放たれた白猫

わたしの目に真っ直ぐに飛び込んでくる

雨樋からの雫の音と小鳥の囀りが混ざり

西の林には濡れ青葉が深呼吸をして輝きを増す

よくわからないけれど あなたに出会ってから

わたしは多分同じ射型(しゃけい)をずっと変えていない

どんな時も 

どんな空模様でも

あなたのハートの真を射抜こうとする型だ

風が強くて夕陽が雲に隠れたり出たりしている

川の流れもはやい

橋の下の巣のもとへ吸い込まれていく燕

落ちぬように流されぬように

燕はまた飛んでいく

風を切り、夕陽に向かって

雲間からあなたが笑う

わたしも今のこの瞬間に心を残し

あなたへと射る

わたしの心からのほほ笑みの矢を 

翼を広げて あなたの光を抱きしめる

ひとり静寂に包まれた夜には

朝に見た白猫がわたしの瞳から

あなたを探して一番星を放つだろう





24/04/14 23:02更新 / 檸檬



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