ポエム
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ひとひら
きみの心のチューナーを回している

ノイズが響いて

調子がわるい



新月辺りはいつもこう、、

きみの発信音を私が 

聞き取れていない



高い音

低い音

一瞬の無音

山の中腹の急峻な斜面

滝の落ちる音が止まる


氷瀑(ヒョウバク)氷瀑


飛び立とうと広げたまま

白く凍った翼


氷瀑


寒さになのか 恐怖になのか


冴えゆく空 澄んでいく眼


繊月の夜空に


ひとりと ひとつ 


ただ寒さになのか 恐怖になのか


震えながらただただ 空は冴えて 眼は澄む


冬の月明かりは 


夜空にぽっかり空いた穴に見えたかしら


君の心のチューナー


回るこの世界で

ふたりでひとつの命だと聴こえた気がした


月明かりないこの夜にも


まだそんな音を探していた


繊月の夜


星が無数に輝いて


胸に詰まった氷にヒビイタ


一筋の雪解け


風花ひとひら


ゆめひとつ


ため息ひとつ


隠された熱に曇る息が壁に反射して


キラりと


あたたかな炬土に落ちる


風花ひとひら


ゆめなかで生まれ


小さく光る陽光に癒やされ


るる


りり


るりら


ひとひら


ひとひら


今朝 束の間の青空に


庭のユキヤナギが

 
ひとひら 


ほころんだ
24/01/15 17:24更新 / 檸檬



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