ポエム
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波風が紡ぐ
夕刻の浜辺へ



車を走らせれば



水平線のうえ



サーモンピンクの雲に空



西の彼方に 山肌に沈み行こうと

する太陽



それはそれはオレンジで



オレンジが輝いて



目に優しいオレンジで



眼にただ優しくも

光り輝き

歓喜をあげてオレンジを

瞳に浮かばす



笑顔も夕陽にそまって

フロントガラスは弾け散っていく



雲は恋して水色とピンクの

水彩絵の具を水蒸気いっぱいに

滲ます



南の空に白銀の貝殻月が



ポツンと夕陽を見つめていた



太陽と月の恋模様



この瞬間だけは動けず



ただ黙ってくぎずけになる



トンビもゆっくりと旋回をし

見守っている



夕陽が沈み



オレンジが白銀にとけた



月は黄金色に染まっていった



潮騒の音と白波のような雲が



夜空の帯となり


ふたつを結ぶ


宵が色濃く包んでいく



あとは星の瞬きを待つばかりと



きっと優しい手で月糸を紡ぐ人がいる


寄せては返す波間から糸を掬う



思い出は七色 夕日に染まれば茜色



優しく波打つこの気持ちを



巻いて紡いで染まりゆく



大きく輝く黄金手鞠


十五夜へ


金の手鞠や


君の微笑み


手で掬いたくなる


綺麗な鞠だね


笑ってくれたね










23/09/28 23:58更新 / 檸檬



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