ポエム
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特別な夢
代わり映えしない明日でもいい



いちにちの終わりにだけは



そっと目を閉じて



君の隣で特別な夢をみたい



きっときみは静かに



見つめてくれているだろうね



君の震えた花の薫りのする囁き



その言葉で包まれたとき

感動するんだ



異星人のような私の感覚を



わかってくれているから



今まで出来なかった



不可能だった部分の



交信が出来て目覚めていくんだ



少しずつ



ゼンマイ仕掛けが動き出して



カチカチカチカチ音立てる



ゼンマイ仕掛けが回りだして



カチカチカチカチ音立てる



ずっと動いていなかった

ホコリを被ったオルゴール



小さな頃 心踊らせて何度も聞いていた



ネジをカチカチ回して



ゼンマイ仕掛けが動き出す



鏡のステージでくるくるまわるバレリーナ



あの頃怖かったフランス人形の緑の瞳にも



新しい星が瞬きだす



君の愛おしいその声が



震えて反射して 



時の波間をカチカチと



ネジを何度も回して



いつまでも聞いていたい



一本の茎先に震え咲く君の花の蜜をわけて



涙の精油が一滴落ちるから

 

いつか薫りを漂わせながら朽ち落ちる

一片の花びらでも



ひらひらと舞う傍で



その影にさえなれたなら



地に落ちるとき
最後にはひとつになれる



そんな夢



代わり映えしない明日でも



いちにちの終わりにだけは



そんなとびきりの夢をみるんだ




23/09/09 00:58更新 / 檸檬



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