ポエム
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枯れ草の芝山から
夕暮れの枯れ草の芝山は西から見るとベージュに光る

私の影法師に向かい合って

夕暮れの枯れ草の芝山は東から見ると金光に透けて茶褐色に光る

私の影法師には背を向けて

枯れ草の下に少しずつ短い
黄緑がツンツンと生えて

もう少しブラウンの毛布をかぶっていたいと頭だけだして

蟻もまだ出てきはいないみたいだ

ここは柔らかな風が小川のように
あたたかな光を包みながら流れてくる

少し冷たくて柔らかな風のフィルターを通り澄んでいくような散歩道


あの雲から見ればここは
何重層にもなる空気の海底


上がったり下がったり泳いでいくように心だけは自由であれ


あの短い緑の草も朝露に蒸発しながら根をはり上を向く


実家の近くの川縁が懐かしくて
小川をみているだけで
思い出す


あの頃の自分の遠くを見る目は
何かを探していた心
どこかに流れつくのかと
思いを馳せた心


小川の橋を渡るだけで風に吹かれて新鮮な気持ちになれた


いつかどこかの誰かに届くことを
願いながら聴いた
川の流れと空気の流れの二重奏



23/02/05 17:11更新 / 檸檬



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