ポエム
[TOP]
fly me to the moonにのせて
熱ざえてうなされている夜

幼い私は母を待つ

母が持ってくるあの缶詰

ガラスの器に入った

まん丸の桃と散りばめられた蜜柑

熱砂漠の夜には甘酸っぱいこの味が
目の奥までしみわたる

私の手を取り額をなぞる母の手

熱にうなされ目の前の物体が歪んで行く奇界を放浪していた私を導いてくれた母のひんやりと柔らかな手の感触

そして優しい眼差し
あのひと時を待ち焦がれていた

すっかり大人になった今も私は
あなたに熱ざえうなされている

眠りに落ちるその前に
あなたの愛してるを待っている
手を取りそっとキスを
そして変わらぬ真っ直ぐなまなざしを待ち焦がれている

私を月へ連れて行って
月の光に照らされて
私の肌は青白く輝き
星々を宝石として、
きっと嘘みたいに綺麗でしょう

その魔法がかった光に陶酔して
あなたに行かないでそばにいてと
ハラハラと涙なんかを流したり
なんかしちゃったりして
儚い女性を演じてみたい

夢の夢の月の世界へ

眠りに落ちるその前に
あなたの愛してるを待っている
手を取りそっとキスを
そして変わらぬ真っ直ぐなまなざしを待ち焦がれている











23/01/28 21:26更新 / 檸檬



談話室



■作者メッセージ
昔、気になっていた歌を自分なりの表現を加えて書いてみたりしていました。

fly me to the moon の歌詞にのせて

エヴァンゲリオンの挿入歌で
宇多田ヒカルさんがカヴァーされているのが有名ですね。

香弥さんの「昭和を歌う」で、歌ってやっぱいいなぁとあんまりにも楽しかったので、私も遊び心満載でえいっと投稿します。

お読み下さりありがとうございます\(_ _)




TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c