ポエム
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包装紙
【短歌十首】


朝方の痛み憶えし曇天にウグイスが掬い取った淡い光雲


長閑な雨音聞いていたい、夜中の雨音が樋から漏れ落ち響く


陸に産み残され目覚めれば砂を掻き分け母亀を追いかけて


失ったことよりあの日々への感謝が無数の星となって瞬く夜


ゆっくりと暮れてゆく薄明に浮ぶ金の兜は青に映えてる



鈴虫が宵闇へゆっくりと誘う浅い眠りにささやくように


人混みを歩き疲れてあんみつの器がオアシスのごとく光って



母の日に花秒針の置時計を包む紙は折り目正しく



真っ直ぐに伝えしことばに笑ってそらすお話をもっと聞かせて



孤りの背中を見せるのは真に誰が為なのかと月は応えず





25/05/06 10:03更新 / 檸檬



談話室

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