小さな言葉
ありがとうとごめんねを繰り返して
歩いていかなければならない
小さな言葉で括り付けられた生命は
微風にも大きく揺れて音を立てて
その度に痛みを伴うけれど
残された者として
残せるものはなんだろうか
いつもそればかり考えてしまうね
同じではない想いを抱えながら
同じように歩かなければならないから
どんなに大きな後悔も
もはや元には戻せなくて
泣きながら集めた自我の破片を
何とかして戻そうとする毎日
こんなに指先を傷つけながら
残念ながら私もいつか
誰かを残していくことになる
それまでにはきちんと形にしよう
終わりの日に会えることを信じて
胸を張ってそれを渡せるように
ありがとうとごめんねを繰り返して
今もこれからも歩いていこう
小さな言葉にしがみついている生命が
鳴らす音を自分なりのメロディーに変え
待っている人に渡せる日まで