逡巡
激しく降り注ぐ言葉の雨に
傷ついてしまうことだってある
きみの世界はどうだろうか
そればかり気がかりで
つい言いかけた台詞が行き止まる
ぼくが放つやさしいと思う言葉は
誰かを傷つけていないかな
なぐさめるために掛けた一言で
結局誰かを傷つけてしまうかも
そしてまた口をつぐむ
他人の痛みまで知りようがなくて
手を当てる場所も要領を得なくて
結果背を向けるきみの姿に
今の自分の立ち位置を思い知る
抱きしめようとして殴りつけるような
愛してると言う口で唾を吐きかけるような
ひどく残酷な事をしているような気がして
生きていることにすら罪悪感を覚える
沈黙の中で慌ててポケットを探り
絆創膏とか包帯とか探してみるけど
何も伝えることができない気がして
ただ立ち尽くす夜
ぼくが放つ言葉の雨に
傷つけてしまうものがあるかもしれない
きみの世界にどう響いているのか
そればかりが気がかりで