ポエム
[TOP]
死がふたりを分かつまで

死がふたりを分かつまで
健やかなときも病むときも
ぼくたちは常に一緒だった

死がふたりを引き裂いても
ぼくは神など信じていないから
今も一緒にいるようで

ぼくの胸には喪失のかなしみも
愛されていたよろこびも
全て刻み込まれたまま

ぼくがきみに会いたくなるときも
かなしみに打ちひしがれたときも
ぼくはきみの言葉で生かされてきた

死がふたりを分かつとしても
健やかなときも病むときも
ぼくたちは常に一緒にいる

その点で言えばきっと
死ですらもふたりを分かつことは
できないのだろうね

そんなことを思いながら
飾る場所も持たない花束を
また今年も買いに行く


23/10/30 10:53更新 / 秋山 青生



談話室



TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c