新盆によせて
白紋天をつるし灯りをともしたら
花はあなたの好きだった白いかすみ草を多めに
お気に入りの白檀の香を燻らせて
例年にも増して暑さが際立つ夏の空
いつも一緒だった部屋の静寂が耳につく
池に咲くハスにはカワセミが羽休め
あっという間に飛び去った小さい青色に
ふとあなたの人生を重ねてしまった
水面が乱れたのはハスのせいではなく
あなたの鼓動が空で響くようになり
私は毎日を生きることで精一杯だった
朝な夕なあなたの不在に打ちのめされ
私は息継ぎすらも苦痛だった
そんな私を見かねてなのか
机の中に書き遺してあった手紙
「生きて ずっと見てるから」
あの日絶望の水底へと手を差しのべたのは
相も変わらずあなたの存在だった
私には足りなすぎるお膳も
少食なあなたには丁度いいかもしれないね
初めて供えた精霊馬はだいぶ不格好だけど
どうか我慢して乗りこなしてほしい
さて今宵はあなたの好きだったお酒で献杯しよう
まだ胸を張れるような私ではないけれど
湛えたグラスにあなたが微笑んだ気がした
花はあなたの好きだった白いかすみ草を多めに
お気に入りの白檀の香を燻らせて
例年にも増して暑さが際立つ夏の空
いつも一緒だった部屋の静寂が耳につく
池に咲くハスにはカワセミが羽休め
あっという間に飛び去った小さい青色に
ふとあなたの人生を重ねてしまった
水面が乱れたのはハスのせいではなく
あなたの鼓動が空で響くようになり
私は毎日を生きることで精一杯だった
朝な夕なあなたの不在に打ちのめされ
私は息継ぎすらも苦痛だった
そんな私を見かねてなのか
机の中に書き遺してあった手紙
「生きて ずっと見てるから」
あの日絶望の水底へと手を差しのべたのは
相も変わらずあなたの存在だった
私には足りなすぎるお膳も
少食なあなたには丁度いいかもしれないね
初めて供えた精霊馬はだいぶ不格好だけど
どうか我慢して乗りこなしてほしい
さて今宵はあなたの好きだったお酒で献杯しよう
まだ胸を張れるような私ではないけれど
湛えたグラスにあなたが微笑んだ気がした