雨上がりの道で
コンクリートの隙間に名も知らぬ花が
昨日の雨のひとしずくを花びらに残し
今日ものびやかに燦然と咲いている
その強さ
光を求めて上を向く
その姿勢に何となく胸がつまって
生きることのつつましさを知る
この弱さ
ひととして
何を遺していけるだろうか
きれいな花など咲かないけれど
確実に空へと手を伸ばした先に
たくさんの言葉を深く呼吸して
金網に絡まる蔦のように
生きた証を遺せたのならば
そこに実はできるだろうか
それは詩になるのだろうか
この生命は輝くのだろうか
言葉もなく風に揺れる小さな花
その生命の片隅にもきっと
誰かが流した涙が含まれている