ポエム
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Eruption
心の中で閉じ込めていた想いを
そっと開放していく
ドアを開くとペン先に向かって
言葉の濁流が押し寄せてくる
ただそれに身を任せて
ぼくはノートを染めてゆくんだ

明日への不安も昨日までの後悔も
全ては形ないまま圧縮されていて
小さな出口を目指して吹き出した
やわらかな岩漿のようなつぶやきが
誰かにとって響いたらいいな
そんなわずかな願いをのせて

どうしたってぼくは
唯一無二のものにはなれなくて
どこにでも転がっている石ころと同じ
それでもどうにかして見つけてほしくて
誰かの胸に爪を立てようとする
そして何かを傷つけてゆく

だから願わくば
やさしい言葉でうたえたらいいな
複雑な比喩もシンボリズムも
何もかもとっぱらって
むき出しのシンプルな言葉を並べて
描くことができたなら

冷えて固まった単語を砕いて
拾い集め組み上げてきたかけらが
いつか文節をなし文章となり
ぼくの等身大の大きさになるように
ぼくはノートを染めていく
心の中で閉じ込めていた想いで
23/08/21 16:30更新 / 秋山 青生



談話室



■作者メッセージ
はじめて投稿致します。
秋山青生と申します。
詩のようなものを綴りながら過ごしております。
どうぞよろしくお願いいたします。

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