ポエム
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おばあさんのペース
この曲がり角を曲がれば
家に着く

だが
その直前

自転車をゆっくり漕いでいく
おばあさんが
先に角を曲がってしまい

そのペースに合わせて
その通りを通らざるを得なくなった

ほぼクリープ状態で
車を運転する

運がないなぁ

なんて
初めは思っていた

けれど
そのペースに
慣れていく内に

何で自分は
そんなにいつも
せかせかとしているのかと
疑問に感じた

おばあさんは
年のせいもあって
急ぐことが出来ないのだろうけれど

忙しなく働くことから
解放され

時をゆったりと
存分に味わう自由を得て

この人は
何を思いながら
過ごしているのだろう

ゆっくりと
自転車を漕ぎながら
何を思っているのだろう

私が
この人の年になったとき

私も
のんびりと時間を感じて

何となく
それまでの人生を振り返りながら
ゆっくりと生きていくのだろうか

私もいつか
この人のように
ゆっくりと自転車を
漕いでいくのかもしれない

なんて
考えてしまったよ

22/12/16 19:32更新 / アキ



談話室



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お読み下さりありがとうございます。

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