ポエム
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介護のジレンマ
トイレに行きたい
オムツを替えてほしい

そういった
生理的欲求を
自分で満たせないから

こうして
介護施設で
看てもらっている

その欲求に対して
介護さんは
応えるときはあるけれど

忙しくて余裕がないときは
なかなか応えられない

訴えが多すぎるから
あえて応えないこともある

介護さんに
訴えをスルーされる

または
対応するのを
後回しにされる

仕方ないのかもしれない

大人数の高齢者相手に
すぐに応えるのは
無理がある

分かってはいても

そういう光景を見ると
胸が痛くなる

偽善かもしれないけれど

もし
自分がそれをされたら
たまらない

その欲求は
生きているからこそ生じる
生きる人の叫びであり

人として尊厳を持って
生きるための
権利だ

自分の欲求を訴え
泣く赤ちゃんに対して

親は
すぐに赤ちゃんを優先して
あやしたり
ミルクを与えたり
オムツをかえたりする

それは
普通の親なら
当たり前のこと

もし
延々と後回しにしたり
スルーしたりすれば
虐待やネグレクトと言われても
おかしくない

ならば
高齢者の場合は
どうなのだろう?

高齢者だけでなく
人の介助が必要な
全ての人も
同じではないか?

仕方ないことと
受け流すのではなく

自分がそうすることで
相手にどんな思いを抱かせているか
想像してみること

介護さん達は
本当によくやっていると
思うけれど

それを
忘れないでほしいと
切に思う
22/08/24 14:33更新 / アキ



談話室



■作者メッセージ
私の働く老健についての詩です。

清掃職員のため実際に介護には携われませんが
だからこそ思うことを綴りました。

きれいごとかもしれませんが
書かずにはいられませんでした。

お読み下さりありがとうございます。

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