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化粧を施すあの人の気高さよ
髪をすき
化粧を施す
あの人の気高さよ

身だしなみを
整えるのは
人としてのたしなみ

特に女性は
化粧によって
本来持っているその人の魅力が
うんと増す

私は
化粧を施す
あの人の姿を眺めるのが
好きだった

何もしていなくても美しい
あの人が

化粧を施すときの
気品と言ったらない

どの女性も
化粧をすれば美しくなるのだろうが

その人以上に
気品に満ちあふれた女性を
私は見たことがない

化粧により
外見が映えるばかりでなく

その人が
元々気質として持っている
人としての柔らかさや
包み込む優しさが

いっそう
にじみ出てくるのだ

その人は
裏表がなく

どこまでも純粋で
心までも美しかった

ただ
純粋で美しい花は

周囲の欲という
毒気を吸って
枯れてしまう運命だった

日に日に弱っていく
枯れていく花は

それでも
気高さを
損なわなかった

最後まで
慈しみ溢れ

そして
気高く
果てていった

私は
その人を守る
盾となり
矛となりたかった

守られる女ではなく
その人を守る
騎士でありたかったけれど

その人にまとわりつく
欲と言う名の毒気に対し

盾や矛は
通用せず

人の負の想いに対し
なすすべもなく

ただ
その人に寄り添うことしか
出来なかった

私は
何が出来ただろうか?

あの人のため
何をしてきただろうか?

そんな言葉ばかりが
頭によぎって仕方ない

私の思い出の中のあの人は
とても美しい人だった

守り切れなかった
その美しい人は

生まれ変わっても
また
美しいのだろうな

以前のように
毒気にさらされて枯れないように

その花の美しさを保てるようにと
今世での幸せを願うばかり
22/08/11 17:59更新 / アキ



談話室



■作者メッセージ
かなりスピリチュアルな話ですが
化粧を施す女性がイメージにあって
その人に仕え、とても敬愛していた前世があると思うのです。
平安時代の貴族の女性で、過去世の私は宮中に出仕していたと思います。
その頃の思い出と想いを綴りました。

夢物語と思って、楽しんで読んで頂けると幸いです。
お読み下さりありがとうございます。

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