ポエム
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誰が悪いのか?
生活保護の問題についての
映画を見た

申請が通ったはずなのに
申請者の老女は
餓死してしまった

なぜ彼女は
死んでしまったのか?

彼女は
申請を拒んでしまったのだ

生活保護の担当者が
いけないのか?

支援がなければ明らかに
危険な状態であると分かっていながら

彼女の申請拒否を受理してしまった

しかし
支援は強制することは出来ないものであり
本人の意志を尊重することが原則だ

ただ
彼女が生活保護を拒むよう仕向けたのは
生活保護担当者達ともいえる

それは
生活保護を申請するには
資力調査があり

最低限度の生活が
本当に出来ない状態なのかを
明確にしなければならない

財力の面だけでなく
扶養能力のある身内の有無まで
調査される

その扶養能力のある身内が
存在している場合
申請は受理されないとされている

彼女には
生き別れた娘がいて
養子に出した娘に
「親の生活苦のために厄介をかけたくない」と
申請を拒否してしまった

担当者達が
娘の存在を挙げて
仕向けなければ
申請を拒まなかったのかといえば
そういうわけではない

担当者達は
自身の責務を果たしただけだ

情に流されて
娘の存在を知らなかったことにして
申請を受理したら
それは違法である

支援者といえど
国の定めた法に背くわけにはいかない

一概に
支援者達の能力不足や思慮不足と
非難するのは違うと思う

出来る範疇で支援を行うのは
彼らとしても歯がゆいと思う

彼らが悪いというよりは
国の法が良くないと言うべきかもしれない

彼女は
誰のせいで死んだのか?

生活保護の担当者か?
国の制度か?

彼女を死なせてしまった悲しみ怒りは
担当者達に復讐を下すことによって
消失するかもしれない

しかし
誰かのせいにして
悪者を定めて終結させては
事態は何も変わらない

彼女のような犠牲者は
今後も生まれていってしまうだろう

だから
現場で起こる事例の一つ一つに
目を向けて

それを
国に訴え
法をより最適な方向性に
改正していく

護られなかった者達のために
出来ること

それは
復讐だけではない

むしろ
それは弔いにはならない

同じようなことを
繰り返さないために

より良い方向に
行動を起こしていかなければいけない

「声を上げていかなければならない」と
復讐の犯人は言った

復讐という方法は
まずかったが

声を上げて
世に訴えること

それには
頷ける

生きている者達は
護れる人を一人でも多く増やすため

問題から学び
それを次に活かす行動を起こさないと
いけない




21/10/10 20:50更新 / アキ



談話室



■作者メッセージ
今日は家族と映画を見に行きました。
「護られなかった者達へ」という映画です。
生活保護の実態と問題を描いています。
ネタばれになるので詳細は伏せますが
思ったことを詩に綴りました。

お読み下さりありがとうございます。

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