ポエム
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合唱
大学の合唱部で歌った
思い出の歌を
自分のパートだけ
口ずさむ

記憶の紐をたぐり寄せ
ボロボロになった楽譜を見て
音調を間違えながらも
なんとか歌う

声を出してみれば
川のせせらぎのような
澄んだ声が響いてくる

どうやら
私の歌声は
今も健在のようだ

我ながら
自分の歌声に聞き惚れる

だけれど
一人歌う歌では
合唱にはならない

色んなパートがそろい
ハーモニーを奏でることで
なせる美しさがある

声と声
心と心が
調和することで
生まれる感動が
そこにあった

あの時歌った合唱曲を
一人で歌う

楽しいけれど
何となく寂しい

あの日あの時
仲間と声を響かせた
思い出の端々

歌いながら
つなぎ合わせ

「あの頃は良かった」
なんて
思いそうな自分をいさめる

あの時
歌い合った仲間達は
それぞれの道を進み
自分の人生を切り開いている

思い出に浸り
懐かしむのは良い

けれど
今と比較して
嘆くなんてみっともない

私は今
一人で歌っているけれど

人生という歌を
これから出会う人々と
共に歌うのよ?

それは一種の合唱曲で
自分のパートと
他の人が歌う別のパート
色んな音調がハーモニーを奏でるのよ?

それはとても
わくわくして
面白いことでしょ?

だから
今から期待に胸を膨らませて
待ちわびていなさいな!
21/03/15 16:22更新 / アキ



談話室



■作者メッセージ
私は大学時代、合唱部を結成し
仲間達(私含め3人)で活動していました。
久々に昔使った楽譜を開いて歌ってみました。
そのときの心情を詩にしました。
お読み下さりありがとうございます。

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