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私は魔法が使えない
私は魔法が使えない

このかんかん照りの空を曇らせ
過ごしやすい気候にすることができない

だから
クールな格好で街中を歩き
汗かきながら水分補給をし
日陰で涼みながら
暑さをしのぐしかない


私は魔法が使えない

やらなければならない仕事を
一瞬で終わらすことができない

だから
一つ一つこなしていくしかない
時間がかかっても
責任がある仕事だから
忠実にこなすしかない


私は魔法が使えない

だから
人の心を覗き
読むことができない

だから
相手の表情や言葉から観察したり
丁寧に話を聞いてあげたりして
察するしかない


私は魔法が使えない

でも
自分の体があり
意志がある
心がある

だから
何かを成し遂げられる

工夫して
対処もできる

決して
何も出来ない訳じゃない

魔法が使えないことは
使えるよりも不便だとしても

私は不幸だと思わない

苦労や悩みの尽きない人生でも
これだけ今
輝けているならば


別に
凄い力がなくたって
いいじゃないか

努力して何かを成し遂げること

分からないものに対して
それがどういうものかイメージすること

トラブルに対して
あれこれ対策を考えること

不便がもたらすプロセスが
自分のスキルや価値を上げ
人生を面白いものにしてくれている

魔法が使えたら
味わえない
経験できない


私は魔法が使えない

だから
そんな私が好きだし
そんな自分の人生が好き


20/08/07 17:30更新 / アキ



談話室



■作者メッセージ
魔法が使えたら便利でしょうが
おそらく、自分の人生に飽きます。
もし使えるならばコロナを消したいです。

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