ポエム
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「愛している」と
甘いヴォイスで囁き

優しく
私の手を取り

肩に手を添えて
「無理するな」と
労ってくれた

そんな彼を
私は信頼し
愛していたのかもしれない

だから
彼の心中に潜む
歪んだ想いを
看過してしまったのでしょう

あなたは
私があなたの思い通りにならないことをすると
罵声を浴びせたり
手を上げたり
攻撃することがあった

そんなことをする反面
私を「特別な存在だ」と言って
私を優しく抱擁した

彼から感じる温もりが
どことなく心地よくて
私は
彼の存在を常に
感じていたいと思ってしまった

私はこうして
彼を崇拝した

精神的にも肉体的にも
縛り付け
痛めつける彼を

愛してくれているからと
自分の与えられる苦しみを
肯定してしまった

その彼が
悪者であると他人から諭され

彼の本性に
自分の愚かさに
気付かされた

初めは動揺し
そんなはずはないと否定した

けれど
今まで受けた痛みや傷が
「そうだ」と訴えていた

彼は
私を思うようにコントロールし
玩具にしたいだけだったのだ

彼から離れたい

けれど彼は
私が彼の本性に気付いているというのに
なおも
その手で私の肩に触れ
優しげな言葉を投げかけてくる

彼は
この依存関係から
私を逃がす気がないらしい

でもね
彼の言葉や態度からにじみ出てくる
歪んだ想いを
今度は否認したりしない

私は惑わされない

あなたの
その支配的で独善的な愛は
愛ではない
20/07/05 12:47更新 / アキ



談話室



■作者メッセージ
フィクションかどうかはご想像にお任せします。

お読み下さりありがとうございます。

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