ポエム
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突然やってきた天使
ある日
小さな天使が
やってきた

夕飯の支度をしているとき
家の自転車置き場の方から
みゃあみゃあと声がして

行ってみたら
君が声を振り絞って
鳴いていたね

お母さんとはぐれちゃったのかな?
肌寒い日だったし
もしかしたら
このままお母さんが来なくて
死んじゃうかもしれない

すぐに家の中に連れ帰って
ミルクを買って温めて与えたけど
君はなかなか吸ってくれない

やっぱり
お母さんのおっぱいじゃないからかな?

翌日
両親がこの子を動物病院に連れて行ってくれた

生後1ヶ月程度で
健康状態は問題なし
それを聞いて一安心

こうして
この天使ちゃんは
私たちの家族になった

天使ちゃんは
黒灰の縞模様の
「シマ」と命名

シマちゃんは
ミルクの時も
トイレを促す時も
身をよじって
声の限り鳴いて
抵抗する

お母さんじゃないから
不安と恐怖でいっぱいなんだろうな

それでも
頑張って世話する
私たち家族

特に積極的に世話しているのは
普段、無気力で
皿洗い一つしない
一日を無為に過ごす兄

そんな兄が
誰に言われることなく
必死に世話している

そして
側にタオルに包んで
侍らせて寝ている

家の中で
何の役割もなく
ただいたずらに時を過ごしているだけの兄の
生きる希望になってくれたのかな?

だとしたら
君は我が家に舞い降りた
天使ちゃんだね

ただ
先住猫のココは
突然やってきた
未確認生物に警戒して

やたらと走り回ったり
いつも以上に激しく爪とぎしたり
ふて寝しているけれど

ありがとうね
シマちゃん

だけれど
突然我が子を失った
お母さんの気持ちを思うと
複雑な気持ちになる

今日
庭をうろうろする
シマちゃんに似た猫を見かけた

私の存在に気付いて
逃げていったけれど

きっと
お母さんだろうな

兄曰く
人の匂いがついた子猫を
親猫は育てることはないという

だから
返すことができない

ごめんね
シマちゃんを奪ってしまって
あなたに悲しい思いをさせたね

責任持って
大切に育てるからね

我が家に
かわいい天使ちゃんをよこしてくれて
ありがとう

20/05/10 17:57更新 / アキ



談話室



■作者メッセージ
詩というよりエッセイですね。
子猫を拾ってしまいました。
「シマ」と名前をつけました。
あのとき、拾って良かったのか、今でも悩みます。
後悔先に立たずですから、何とか頑張って育てるつもりです。
それは兄も同じ気持ちだと思います。

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