ポエム
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底の空いた心の杯
必要な世話を
できる限りして
必要な服などの道具を
できる限り用意してあげても

貴女の心は満たされない
分かっているよ

貴女が欲しているのは
そんな形式的な愛ではないということ

自分の気持ちを受け止めて
心地よい言葉を投げかけてくれる
そういう愛が欲しいのでしょう?

悪いけれど
貴女の求める愛を
完全な状態で注げる
時間も余裕もあまりないんだ

私にも私のしたいことがあって
私の人生がある

その中で私は
わずかでも貴女の望む人物を演じて
貴女の心という杯に
水を注いでいる

貴女は初め
ふてくされているけれど
次第にきらきらした目で
安堵した表情を見せる

と思ったら
開花した花が
いつの間にか
しおれている

どうしてそうなるのだろう?

それは
貴女が少女のように純粋で
愚かにも
他人の気持ちも都合も考えず
求め続けるからだよ

自分は悲劇のヒロインで
愛を与えられない哀れな女だと
本気で信じている

本当に可哀想な人だと思う

貴女の心という杯に
水を注いで満たそうとしても

自ら杯の底に穴を入れて
水を抜いてしまうから
満たされることがない

貴女の茶番に付き合うことに
時々疲れを感じる

貴女の心が
愛で満たされることは
おそらくないだろう

そう感じつつも
私は見捨てずにいるのは
どうしてなのか?

自分でも分からない






20/01/14 23:06更新 / アキ



談話室



■作者メッセージ
貴女というのは私の同居する祖母のことです。
私の右側にいる方には申し訳ないですが
私の本音を綴りました。

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