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手を繋ぎたい
君のぬくもりが恋しい。手を繋いでいるだけでよかった。君が私に触れている、その証が分かればよかった。君の手は優しかった。君みたいに優しかった。大好きで、触れられなくても大好きで、触れることが烏滸がましいとすら思っていたの。だから手を繋いでくれたときは嬉しかった。離したくないと思った。離さなければならないのかと苦しかった。これが恋なのだと思った。繋いでいる手を離したくないと思うこと、離した先で幸せを願うこと、また会えた時同じ気持ちで手を繋げたらと思うこと、手を繋げなくても心を繋ぎたいと思うこと、そのすべてが恋なのだと。私は今恋をしている。君に。恋ではないのだと思っていた。それは間違いではないのかもしれない。けれど、この胸を灼く想いが恋ならいいとも思うから、私はまだ君を恋しく思うよ。いつかまた君と手を繋ぎたいから。
19/11/23 23:03更新 / 雨月 涙空



談話室



■作者メッセージ
君が私の手を握った時、特別な意味はないのだと、思っていたのだけれどね。
私は君と、手を繋ぎたいみたいだ。

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