生きていくための理由
生きるための理由が欲しかった。理由なんてなくても生きられはするのだろうけれど、弱い僕には理由が必要だった。その理由が、自分以外の誰かになることは避けなければいけなかったのに、僕は君を選んでしまった。君がいなければ生きていけないと、君を理由にしてしまった。君がいないならいつでも死ねるのだと最低なことを考えた。僕には君だけだよ。そんな優しい言葉が君を追い詰めるなんて思ってもいなかった。僕はただ、理由が欲しかっただけなのに。生きていくために、生きていくことに、理由があるならいいと思っていただけだったのに。君はそれを拒んで、僕からの想いだけは受け入れた。弱虫な僕は、どうしたらいいのかわからなくなって、酷く寂しいと思ってしまったんだ。本当は、理由なんてなくても生きてはいけるのに、僕は理由に、君に縋ってしまった。僕には君が必要なんだ。伝わったならよかったのに。