言葉にしてよ
言えよ、僕が大切だって、好きだって、失いたくないって、僕がいなきゃ困るって、そう言ってくれよ。君のその言葉があれば僕は立っていられるんだ。君にとっての僕が何かなんてそんなことは考えても意味がない。だから僕は。言葉を、態度を、一挙一動を、君の心を求める。君に言ってほしいのに、言ってはくれない。言葉にする僕と言葉にしない君の違い。言葉にしなくてもわかる、なんて絵空事だ。どんな小さなことでも、言わなきゃ伝わらないんだよ。言ってくれなきゃわからないんだよ。僕と君は他人なんだ。自分のようで、それでも自分じゃない別の人間なんだ。どんなに抱きしめあったって心が触れ合えないなら寂しいだけだ。どんなに離れてたって心が繋がってるなら寂しくはない。だから言葉で教えてよ。僕は君の、なんなんだ。ありふれた形に当てはめたくないというなら、君の今を僕にくれ。僕はずっと、息をするより簡単に君を求めてる。どんなに好きになっても埋まらない空洞が、僕と君の答えだなんて、認めたくはないんだ。