ポエム
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四角い機械
電波に想いを乗せて、大切な人に言葉を届ける。
携帯がなかったら、顔も知らない名前も知らない誰かと繋がることなんてきっと出来なかった。傷つくことも傷つかないこともなかったんだと思う。想いを文字にして、誰かに送る。それだけの行為がどうしてこんなにも胸を叩くのか私はずっと忘れていたような気がする。けれど思い出した。本当は忘れたことなんてなかったのかもしれない。この四角い機械は、心も住む場所も、想いさえも超えるのだ。だからこそ愛おしい。だからこそ誰かを大切に思えることは愛おしい。会いたくても会えない距離を、時間を、言葉を届けるための術が手元にあることが優しいと思った。電波に想いを託すなんて、簡単で少し悲しい世界だなとそう思う。それでもこんな世界が優しいと思う。私は今日も文字にして、誰かに想いを綴るのだ。
19/11/05 16:13更新 / 雨月 涙空



談話室



■作者メッセージ
四角い機械、依存症です。


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