月夜に
「変わりゆく日々を愛せないのは、いつか終わることが分かっていないからよ」と貴女は言いました。いつか終わりが来ることが分かっているから日々を愛せるのだと貴女は言います。けれど僕は悲しかった。貴女が日々を諦めていることが。貴女が終わりゆくすべてをこの上なく愛していることが。壊れてしまった心を取り戻すように、貴女は日々を愛しているように見えたのです。終わりはやってくるのでしょう。いつか、そう、いつかは、必ず。けれど、僕は貴女にそんな寂しい顔をさせたくはない。だから誓います。いつか終わる日々を愛すること、そしてそれ以上に貴女を愛することを。月夜に貴女を想います。月夜に貴女を愛します。変わりゆく日々が終わってしまうまで、僕の隣にいてくれませんか?