ポエム
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君がいなければ
君がいなければ僕は強くあれたかもしれない
君がいなければ僕は弱いままだったかもしれない
君がいたから僕はいろんな想いを知れたし
強さも弱さも真ん中さえも自分のものに出来た
君は真ん中を嫌っていたけれど
僕は真ん中を何より好んだ
僕と君の決定的な違いはたぶんそこで
価値観の違いという当たり前なものを
押し付けられたように感じたのも
思い返せばそこからだったかもしれない
僕は完璧という言葉を嫌う
そんなもの存在しないと思っているから
存在するのなら完璧とは何を指すだろう
僕の中でそれは君だったのかもしれない
何事もそつなく熟す君は
それでいて嫌味がなくて
僕には完璧に見えたのかもしれない
好きなものも嫌いなものもそうじゃないものも
沢山あるよ
そして僕は君のことが
好きで嫌いでどちらでもなかった
だから思うんだ
君がいなければ僕は僕を失うことさえなかったんじゃないかって
君がいなければ僕は僕を傷つけなくてよかったんじゃないかって
でもこうも思う
君がいてもいなくても僕は変わらなかった
君が変えたのは僕の心の片鱗で
その片鱗だけが僕のすべてを奪っていった
あんな想いを後何度するんだろう
自分以外の誰かに自分を変えられそうな恐怖
怖いのに手を伸ばしたくなるようなそんな感覚
僕には君が必要だった
君にも僕が必要だった
そうして今は互いに必要じゃなくなり
歩みは違う方を向き出す
君がいなければよかった
同時に思う
君がいてよかった
矛盾する心を抱えることが恋ならば
僕は確かに君に恋をしていたんだ
20/08/13 23:37更新 / 雨月 涙空



談話室



■作者メッセージ
失ったから書けることがある、私はそれに幸せと名前を付ける
詩を書く以上の生き方を私は知らないし今は知りたくない
世界を狭めたのは自分の為で、それも君が教えてくれたことでした

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