助けて欲しいと思ったことはないし
願ったこともたぶんない
けれど誰かの痛みを分かりたかったし
自分の痛みを分かって欲しいと
きっとどこかで思っていた
分かり合うなんて綺麗事だと分かっていた
それでも望むのはいけないことですか
綺麗事は綺麗なだけでただそれだけで
許されたような気になるから
甘えられない私はそれが嫌いだった
けれど綺麗事に救われたことがある
わかる筈のない気持ちに
それでも寄り添おうとすることが
何よりも痛くて優しいのだと思う
人の気持ちを十全に理解なんて出来ない
それでも推し量ることは出来るよね
痛みも喜びも分け合うことなら出来るよね
口先だけの同情は毒にしかならない
心からの慰めは薬になるだろう
毒にも薬にもならない綺麗事を紡ぐ私の心は
いつか誰かの何かになるだろうか

■作者メッセージ
綺麗事が嫌いで、綺麗なだけなら苦しくないのにと勝手に苦しんで、手を伸ばすことも出来なくて、今じゃ軽く人間不信で。
それでも詩を書きたい、言葉にしたい、私の救いはそこにあるのだと思うから

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