ポエム
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好きな人
好きな人がいる。生き方以外はすべて捧げてもいいと思えるくらいに好きな人が。
その人を好きな人は沢山いて、私はそのことを誇らしいとも思う。
その人が私以外の誰かを好きになったら、悔しいとは思うけれど、自分の好きな人が他の誰かにも魅力的に思われているということには、どうしてか優しい気持ちになれる。私のことを好きになって欲しい、と思う気持ちと同じくらいかそれ以上に、その人が色んな人にとって魅力的であることが嬉しい。
私にだけの特別は欲しいけれど、その優しさが、或いは特別以外の何かが他の人に向けられてもたぶん私はそれに気が触れたりはしない。気が触れたりはしない理由がひとつでもあればいい。
好きな人をただ好きでいること、好きな人がいること、どちらも大切だけれど、好きな人が好かれていることを嬉しいと思う。けれど、そうね、我儘を言うなら、その数%の「特別」を、他の誰にも向けない愛を私だけに頂戴?その人の家族の次に、私はその人を好きだし愛しているけれど、その愛を押し付けたりはしないから。押し付けてしまったら崩れてしまうでしょう?だから押し付けはしない。でも聞いてくれるなら幾らでも話す。私がその人に抱いている想いが、どれ程ありふれていて、どれ程特別かを。誇らしげに聞かせるわ。だから逃げないでよね。大好きな人。
19/10/22 19:35更新 / 雨月 涙空



談話室



■作者メッセージ
押し付けないと言いながら押し付ける隙を伺うみたいな詩になってしまいました。
「正論は正しい、けれど正論を押し付けることは正しくはない」と同じ話です()

閲覧ありがとうございます( ´ ` *)

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