幸せだから死にたいと思う
不幸だったら生きたいと思ったんだろうか
それは私には分からないけれど
分かるのはひとつだけ
生まれてから今に至るまで
生きたいと思ったことは一度もないということだけだ
生きれば生きる程悲しくて虚しかった
どうして生きなければならないんだろうと
何度も何度も自分を呪った
大切なものがあって
大切な人たちがいて
大切にしたいものもあるのに
そこにはいつまでも自分だけがいない
自分を大切だと思おうとすると
渇いた笑いが出る
私には自分を大切には出来ない
周りの人が大切にしてくれる自分を
私はどうしても大切に出来ない
身体も心もそれを拒絶する
愛されて育ったのに
自分を愛することが出来ない
いつだって生きたいと思ったことはない
いつだって死にたいと思ってばかりだ
死にたいと思い続けながら今日まで生きてきて
けれど不幸だと思ったことはない
満ち足りてはいないけれど
幸せだと思う
だから私は
いつだってこの世界から
消えていなくなりたいと願い続けている
毎日目が覚めなければいいのにと思いながら
眠りについている
答えの出ない問いだ

■作者メッセージ
今まで生きてきて生きたいと思った日は1日もないです

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