ポエム
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いっそ
君のことを嫌いになれたならよかった
最低だって恨んで
好きになってくれる人を好きになって
君のことなんかそんなに好きじゃなかった
本当はずっと苦しかった
たまには頑張ってるじゃんって褒めてほしかった
君の生活に割り込みたかった
君の唯一になりたかった
想い続ければいつかは報われるのだと信じていた
そうして僕以外を好きになった君を
嫌いになれたならよかった
なんで好きになったのか頭を抱えるくらい貶せたらよかった
けれど現実は上手くいかなくて
君への気持ちが風化した今も
君を嫌いにはなれない
君はもう僕を忘れたのかなとか
君が染み付いた景色とか
君と叶えたかった現実とか
そんなものに心を留められてしまう
誰を好きになるのもどう生きるのも
君の自由だから
僕が君を好きでいたのも僕の自由だ
君を好きでいないのも僕の勝手だ
いつの間にか君に勝手に期待していた僕は
君に勝手に失望をした
どこまでも独り善がりな僕と
どこまでも自由な君は
余りにも違って
その違いさえ好きだったのだと
気付いたのはずっとずっと前だった
失うまでもなく君が大切だったよ
失って尚空洞に気がつくばかりだ
二度と交わらない君に焦がれずに
自分なりに生きたいと強く強くそう思った
20/04/25 20:52更新 / 雨月 涙空



談話室



■作者メッセージ
書かない、というのは存外難しいです。
心の内を書き連ねるのは苦しくて楽しいです。

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