薬を飲んでから寝るまでの時間は早かった
「今日」と言う日に未練を残した事なんて
数える程 思い出せない記憶の中にしかなかったの
そうして10年前からずっと
約束を楽しみにしながらも
眠るときは目が覚めなければいいと
心の奥で未来を殺していた
期待をすれば心を壊す
それが分かっているから
失望が重くならないように
軽くない期待で心に罅が入らないように
その期待で相手に負荷をかけないように
そうしてずっと自分も周りも守ってきた
今だってそう
楽しみが出来れば出来るほど
果たされなかった未来に
「分かっていたわ」
そう思うのはもううんざりなの
期待と失望は2つで1つ？
違うわ
期待と諦めが2つで1つなの
失望は相手にするものでしょう？
私は誰にも失望なんてしないわ
ありのまましか見ないから期待もしない
ありのまましか受け入れない
ありのままを受け入れて愛せる
いい事なら喜べる
悲しい事なら少し沈む
諦めは自分自身に対するものよ
「分かっていた
知っていた
期待しちゃいけない
期待するから痛いんだ
そんなもの飲み込めるだろう
これでよかった」
私の中にある矜持はちっぽけなの
理解なんて求めはしないわ
私と同じ人間はいないし
私も誰かにはなれない
理解なんて求めはしないけれど
せめて受け入れてほしいなんて我儘？
薬を飲んでから寝るまでの時間が長くなったのは
日々に心残りが出来てしまったからなの
どうすれば想いは伝わるかしら
私を嫌う君に私を知ってもらうには
相変わらず大きな期待はしないけれど
君に挨拶をして返して貰えれば
それで私は幸せになる
今日寝れないのは会えなかったからね
ぐるぐると薬が効くまでの時間
そんなことを考えているの

■作者メッセージ
ほんとはすぐ寝なきゃいけないんですが、いやはやいやはや、このまま目が覚めませんようにと祈るのは嫌で、理由はただ好きな人にまだ会ってないから、だけで。
今まで、生きたい理由がなさ過ぎただけなんです。詩だけが私に生きることを教えてくれました。そうして恋、と呼べるかはわかりませんが好きな人。
苦しいですね。生きるって苦しいですね。苦しいから幸せも実感出来るんですよね。

申し訳ない、語りが長くなりました。
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