ポエム
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ああ
水の中を夢想した
思い切り息を吸い込んだら求めた酸素は得られなくて
けれど意識を手放す間際まで
水の中は綺麗なのだろうと思った
手を伸ばしても生きられない世界が
ずっとずっと綺麗だった
藻掻けば藻掻くほど沈んでいくみたいに
光だってなくなっていくけれど
元々光なんて愛してさえいなかった
闇が心地よくて
光が眩しければ眩しいほど心は落ちていったから
光なんて元々なかった
けれど闇が深ければ深いほど
光だって強くなる
闇を増やして光に心が眩んだけれど
強い光に心は壊れてしまったけれど
闇が必要なら光だって必要な筈だ
海の中で暮らすことなんて出来はしない
けれど私は陸ですら上手く生きれない
だから私はどこでだって上手くは生きれない
光を愛さないことが
闇を愛することが
自分に優しいことだと
目を逸らすのではなく受け入れてしまう
生きづらい中で生きることが
当たり前な世界を恨むこともない
私が嫌いなのは愛せないのは
光だけだから
それ以外を恨むことは決してないの
私の嫌悪はだから何よりも強いのよ
鰓なんてないけど水の中に憧れだってするわ
ね?歪んでいるでしょう?
20/04/17 22:36更新 / 雨月 涙空



談話室



■作者メッセージ
メフェストフェレス、でしたっけ。
ファウストは未読ですがその意味を知ったときに心が震えたのを今でも覚えています。
新しい言葉を見つけたときに私の心は何よりも震える。

いつも閲覧、投票ありがとうございます(^O^)/

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