手を伸ばして
届かなくてもと背を伸ばして
お月様だって手が届かないところにあるのだからと苦しくても背伸びをし続けて
あの人しか好きでいてはいけないのだと
あの人しか好きにはなれないのだと
そう涙を流していたけれど
熱が冷めてお月様を見なくなってから
まるでほとぼりを覚ますみたいな恋ではなかったかと首を傾げる
届かなくてよかった
届いてしまえば悲しくなる
片想いでいい
お月様に恋をしているみたいに恋をしよう
とそう思い込もうとしてきたけれど
今になって分かるのは
本当は愛されたかったのだとそればかり
消えてしまえば掴めない
空に空いた寂しそうなお月様を求めて
報われない恋に身を焦がす
我儘を言わないことは誰の為だった？
傷つけないように傷つかないよう守ったのは誰の心だった？
今では冷たくなった心を本当に伝えたかったのは誰にだった？
失った恋には答えなんてないから少しずつ思い出に変えていけたらいい
たまに泣きそうにはなるけれど
私は私なりにあの人に向き合ったから
それが伝わらなくてもそれが実らなくても
前に進めてるよね
私は大切な恋をひとつ失ったんだ

■作者メッセージ
区切りはつけたくて。

いつも閲覧、投票ありがとうございます(^O^)/