ポエム
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理由
そんな困った顔をして泣かないで、ねえ、どうして泣いているの。
何が君を傷つけたの。何が悲しいの、何が苦しいの、何が君を追い詰めたの、どうして涙が止まらないの。
僕が君を抱きしめても、君は笑わない。泣き止まない。僕に何も言わずに独りで傷ついていく。一緒にいるのに心が遠い。一緒にいるのに何も知らない。
君が何に悲しみ、どんなことに心を痛めるのか、どんなことに苦しんでいるのか、何も知らない。+の感情は沢山分け合ってきたのに、−の感情はひとつとして教えてはくれない。
ねえ、泣いてる理由を教えてくれないのなら、そんな1人きりみたいな顔をしないでよ。僕がいる、僕はいるよ。君の傍にいる。君が何に泣いているのか知らないまま君を慰めることが君の為になるんだとしても、もう嫌なんだ。君にそんな寂しそうな顔をさせたくない。ひとりにしたくない。どんな感情も分け合っていこうよ。僕は君をひとりにはしない。ひとりになりたい時があっても、ひとりになんてしてやらない。今すぐじゃなくていいから、いつか教えてよ。君の涙の理由や、君がどんなことに傷つくのかを。僕はいつでもそれを聞いて、君をずっと護るからさ。
19/10/20 17:14更新 / 雨月 涙空



談話室



■作者メッセージ
理由がない涙もあるけれど、理由があるのならそれを取り除きたいなと思うよ

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