ポエム
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一輪の花
誰もが見えるところに咲いている
たった一輪の花
いろんなものを吸収して
いろんなものを糧にして
日に日に美しくなる一輪の花
優しさや強さを陽の光の代わりに
良心や言葉を水の代わりに
育つ花
けれどその花は不思議な花だった
僕から見たらとても綺麗な花なのに
他の人には見ることも出来ないらしい
見えるのは僕にだけ
勿論花に見えるのも僕だけみたいだ
あんなにも綺麗なのに
こんなにも心を灼くのに
...こんなにも触れてみたいと願っているのに
僕以外には見えなくて
見える僕にも触れることは出来ない
ああ
こういうのを
高嶺の花
というのだろうか
手を伸ばしても届かない
伸ばした所で掠りもしない
それでも
手を伸ばすのをやめる理由には
到底足りない
誰にも花には見えないそれに
僕は一人手を伸ばし続ける
美しいと思えば触れたくもなるだろう
壊したくはないけれど
触れてみたいと願ってしまうだろう
昨日よりも今日
今日よりも明日
更に愛しさを増していく
僕だけに見えるその花は
僕だけが育てられるその花の名前は

というらしい
そして育てることで

に変わるらしい
あれは掛け替えのない
僕だけの一輪花だ
20/01/26 16:00更新 / 雨月 涙空



談話室



■作者メッセージ
最後纏めるのが難しくなりました。
「僕」だけに見える「君」という一輪の花
ですかね

いつも閲覧ありがとうございます(^O^)/

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