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馬鹿みたいに
息が苦しくて咳をした。苦しくて涙が出た。そして何故だか笑ってしまった。咳が治まって口から漏れた息は乾いていて、それはまるで喘鳴のようだと思った。息をするのが下手な私は、人間に向いていないなと、そう思ってしまう。身体が弱いと感じたことはない。けれどストレスや緊張を感じると咳が止まらなくなる。最近は寒さを感じてもそうだ。後は煙草の煙を吸い込むと急に咳が出る。治まってふてくされたみたいに眠りに逃げようとする。幾度か咳き込みながら眠りにつく。今度は悪夢に魘される。そうして起きた時にまた咳をする。そして笑う。ここのところ、その繰り返しで、原因は分からずに、気休めの咳止めも効かずに、好きなことに集中出来ない。夏が嫌いで冬が好きな私は、この時期を心待ちにしていたのに。息苦しいと思う。息苦しくて、生き苦しい。ずっと続くわけではないから人には言えずに、私の救いは、子供の頃からずっと傍にあるぬいぐるみだけだ。好きな季節を楽しもうとすると身体が悲鳴をあげる。馬鹿みたいだ。馬鹿みたいに生きている。咳が治まる時間に誤魔化すように、風邪を引いたみたいと笑う私は愚かだね。一人の時間が楽だ。誰も傍にいなければ心配をかけることもない。寂しいけれど仕方のないことだと割り切ろうとする自分がまた悲しい。私は今日も、馬鹿みたいに息を継いで生きている。
20/01/12 14:52更新 / 雨月 涙空



談話室



■作者メッセージ
喘息の可能性はあるみたいなのですが、検査で反応が出なかったので咳止めで様子見になりました。父親が喘息のようなので、それを相談したら「嫌なとこばっか似るな」と言われました。悩ませたかったわけじゃないんです。ごめんなさい。

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